企業のPR活動におすすめのSNSは6つ!特徴と具体的な施策のやり方を解説
SNSで自社のブランドや商材を宣伝するPR活動は、スマートフォンの利用が当たり前になった近年、企業の売上を左右する重要な取り組みになりました。年代や性別を問わずに多くの方がSNSを利用しているので、SNSを使ったPR活動はあらゆる企業にメリットをもたらしてくれます。
この記事では、企業のPR活動におすすめのSNSと具体的な手法について解説します。各プラットフォームの特徴と成功のポイントを知って、ぜひ自社のマーケティング活動に役立ててみてください。
企業がSNSでPR活動するメリット・効果
企業がSNSでPR活動するメリットとして、以下の5つが挙げられます。
費用対効果が高い
ユーザーと直接コミュニケーションが取れる
効果測定しやすい
抵抗を抱かれにくい
ターゲット層に合ったアプローチが可能
各メリットの詳細について、具体的にみていきましょう。
費用対効果が高い
SNSを活用したPR活動は、他の施策と比較するとコストパフォーマンスが高くなりやすい傾向にあります。SNSアカウントの開設や投稿は無料で行えますし、有料広告を出稿する場合でも、数千円程度の予算から始めることが可能です。
また、一度投稿したコンテンツはSNS上に残り続けるため、継続的な認知獲得につながります。魅力的なコンテンツを投稿できれば、広告費をかけずとも長期的な集客や企業価値の向上を目指せるのです。
ユーザーと直接コミュニケーションが取れる
SNS施策ならではの強みとして、ユーザーの声を直接聞ける点が挙げられます。商品の感想やサービスへの要望、改善点などをリアルタイムで把握できるので、市場調査のコストや手間を抑えながらニーズに応えられます。
スピーディーなフィードバックや双方向のコミュニケーションは、従来のPR手法にはなかったメリットです。顧客の声を積極的に取り入れることで、製品開発やサービス改善サイクルの大幅な短縮を目指せます。
効果測定しやすい
各SNSプラットフォームでは無料で便利な分析機能を提供しており、投稿のリーチ数や反応率、フォロワーの属性データなど、いろいろな指標をリアルタイムで確認できます。そのため、有料のツールを使用しなくても、手軽にPR活動の成果を把握することが可能です。
「情報を見てくれた人数」や「そのうち行動に移してくれた割合」といったデータも、具体的な数値として把握できます。簡単に効果測定ができるので、効率的な課題発見やより効果的なPR活動を目指しやすくなります。
抵抗を抱かれにくい
近年の消費者は、一方的な宣伝や広告に対して抵抗感を抱きやすい傾向にあります。一方でSNSは、ユーザーが自発的に情報を発信・収集するプラットフォームなので、抵抗感を抱かれずに自然な形で商品やサービスの魅力を伝えることが可能です。
広告では、商品の特徴や価格、機能を訴求することが一般的でした。しかし、発信の自由度が高いSNSでは、開発秘話や企業の想い、企業の裏側などさまざまな切り口でストーリー性のある情報発信をすることも可能です。
共感を抱いてもらえるストーリーや積極的な交流で親近感を育めば、長期的に良好な関係を構築しやすくなります。
ターゲット層に合ったアプローチが可能
SNSでは、ユーザーの属性や興味関心に応じて、きめ細かなターゲティングが可能です。例えば、若年層向けの商品ならTikTokやInstagram、ビジネス向けのサービスならFacebookというように、最適なプラットフォームを選ぶことができます。
また、投稿時間やコンテンツの形式、使用するハッシュタグなども、ターゲット層に合わせて柔軟に調整できます。SNSを戦略的に活用すれば、リーチ率やエンゲージメント率を大きく向上させて、認知を拡大できる可能性があるのです。
企業のPR活動におすすめのSNSと特徴
企業のPR活動に活用できる主なSNSとして、以下の6つが挙げられます。
Instagram
X(旧Twitter)
Facebook
YouTube
TikTok
LINE
効果的なPR活動を行うには、それぞれのプラットフォームが持つ特性を理解しておくことが大切です。ここからは、各SNSの特徴をみていきましょう。
Instagramは、月間アクティブユーザー数が6,600万人(2023年12月時点)を超える、画像や動画を用いたコミュニケーションがメインのプラットフォームです。10代後半から30代の女性ユーザーが多いSNSですが、年齢・性別を問わず多くの方に利用されています。
視覚的訴求に長けているのでアパレルや美容、飲食、旅行など、ビジュアル面に優れた商材と相性がよい傾向にあります。投稿だけではなく、ライブ配信機能やショッピング機能も組み合わせることで、より商材の魅力発信や購入促進につなげやすくなるでしょう。
インフルエンサーの活動が活発なプラットフォームなので、インフルエンサーマーケティングの実施もおすすめです。
関連記事:Instagramのショップ機能とは?設定方法や審査が通らないときの対処法を解説
X(旧Twitter)
リアルタイム性の高い情報発信や拡散性に強みを持つX(旧Twitter)は、国内の月間アクティブユーザー数が6,658万人(2023年時点)を誇るSNSです。
特に、新商品の発売やイベント告知など、「今すぐに知ってほしい」情報の発信に適しています。また、消費者やファンと気軽に交流できる点もXならではの強みだといえるでしょう。
投稿を二次拡散できる機能があるので、「いいね」や「リポスト」機能を活用したキャンペーンを実施すれば、短期間で高いPR効果を得られます。また、企業の意外な一面を投稿することで話題を呼ぶ「中の人」施策も、Xならではの効果的なPR手法です。
Facebookは、BtoB企業やローカルビジネスのPRに適しているプラットフォームです。国内の月間アクティブユーザー数は2,600万人(2019年7月時点)で、30代以上のビジネスユーザーが多い点が特徴的です。
「イベント機能」を使ったセミナーやワークショップの告知、「グループ機能」を活用したコミュニティ形成など、マーケティングやPRに役立つ機能が充実しています。また、ブランドや商品だけではなく、採用PRにも効果的です。社員インタビューや職場環境の紹介など、企業文化を発信する場としても活用できます。
YouTube
YouTubeは、月間利用者数が7,120万人(2023年5月時点)の動画プラットフォームです。老若男女を問わずに幅広い層に利用されているので、あらゆる商材のPRに適しています。
企業チャンネルを開設して定期的にコンテンツを配信すれば、認知拡大に効果を発揮します。他にも、既存顧客向けに製品の使い方を紹介したり、ファン向けにオリジナルコンテンツを発信したりすることもおすすめです。
さらに、近年はYouTubeショートの人気が高まっています。ショート動画は長尺の動画に比べると制作の手間を抑えられるので、効率的かつ効果的なPR活動に一役買ってくれるでしょう。
TikTok
TikTokは、ショート動画に特化したプラットフォームです。日本国内の月間利用者数は約2,800万人(2024年2月時点)で、特にZ世代をターゲットにしたBtoC商材のPRに適しています。
音楽やエフェクトを活用したユニークな演出やチャレンジ企画の実施など、エンターテインメント性の高いPRが可能です。TikTokの投稿をきっかけにバズった商品は非常に多く、「TikTok売れ」という言葉も生まれました。
TikTokを活用したPR活動で見逃せないのが、口コミの自然な拡散によって情報や商品が広がっていく「バイラル効果」の高さです。
アルゴリズムの特性上、TikTokではフォロワー数に関係なく優れたコンテンツが「おすすめ」に表示されやすく、一気に拡散される可能性があります。そのため、トレンドを押さえた演出やユーザー参加型のキャンペーンを実施することで、爆発的な認知拡大につなげられる可能性を秘めているのです。
LINE
小売業や飲食業でのPR活動におすすめなのが、LINEです。LINEは、国内で9,600万人(2023年12月時点)以上が利用するコミュニケーションプラットフォームです。年齢や性別を問わずに幅広い層に利用されており、さまざまな商材・施策での活用に向いています。
LINEをPRに活用する最大のメリットは、メッセージの既読率が高い点です。従来のメルマガと比較すると読んでもらいやすく、確実に情報を届けられます。「リッチメニュー」や「リッチメッセージ」などの視認性の高い機能を活用すれば、より商品やセールの情報、クーポンに興味を抱いてもらいやすくなるでしょう。
他にも、自動応答機能を活用したカスタマーサポートや、ミニアプリを活用した会員証のデジタル化など、顧客接点を強化するツールとしても利用できます。
SNSを使ったPR活動の代表的な手法
SNSを使ったPR活動でよく用いられる手法として、以下の3つが挙げられます。
公式アカウント運用
キャンペーンの実施
インフルエンサーマーケティング
それぞれの手法には異なった特徴があるので、目的に応じて使い分けることが大切です。各手法について、詳しくみていきましょう。
公式アカウント運用
公式アカウントは、SNSを活用したPR活動の基盤となる手法です。商品情報を発信するのはもちろんのこと、業界のトレンドや自社ならではの取り組み、商品に込めた想いなどさまざまな情報を自由に発信できます。
特におすすめなのが、事業に対する想いや商品開発ストーリー、お客さまの声を紹介することです。共感できるストーリーや第三者の感想を紹介することで、よりブランド・商材への信頼感や親近感を高められる効果が得られます。
さらに、公式アカウントを通じてユーザーと交流すれば、ファンを育成することも可能です。カスタマーサポートの窓口としても活用すれば、顧客満足度と企業イメージの向上を同時に実現できるでしょう。
キャンペーンの実施
SNSを活用したキャンペーンの実施は、短期間で多くの認知を獲得したい場合におすすめの手法です。フォロー&いいねで応募できる抽選企画や、写真投稿コンテストのような参加型企画が代表的な例として挙げられます。
キャンペーンを実施するときは、魅力的な景品と参加のしやすさを意識することが重要です。リポストやハッシュタグの利用を促せば、ユーザーの自発的な情報拡散も期待できます。
ただし、各プラットフォームの利用規約に注意が必要です。「キャンペーン専用のハッシュタグを設定してはいけない」「いいねやフォローの見返りを提供してはいけない」などさまざまなルールが設けられているので、よく確認したうえで実施しましょう。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、SNSで影響力のある人物を起用して、商品やサービスを紹介してもらうPR手法です。
芸能人を起用したPR活動に比べるとコストを抑えられますし、インフルエンサーとフォロワーの信頼関係を活かした自然な形で商品を紹介できる点がメリットです。特に、ファッションや美容、食品などの商材と相性がよく、商品の魅力や特徴を説得力のある形で伝えられます。
インフルエンサーマーケティングを成功させるポイントは、商材との親和性の高いインフルエンサーを選定することです。フォロワー数だけでなく、投稿の質やエンゲージメント率、これまでのPR実績なども考慮に入れましょう。
また、インフルエンサーの個性を尊重して、自由な表現を認めることも大切です。その人らしい言葉や方法で情報発信してもらうことで、よりフォロワーに受け入れてもらいやすい納得感のあるPR活動につながります。
SNSでPR活動を成功させるポイント
SNSでのPR活動を成功させるために、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
自社と親和性の高いSNSを見極める
入念なアカウント設計を行う
拡散・UGCの発生を狙う
ユーザーからフィードバックを得る
PR表記のルールを守る
それぞれの詳細を説明します。
自社と親和性の高いSNSを見極める
PR活動で成果を出すには、自社の商材や目的に合ったSNSを選択することが不可欠です。
SNSの選定では、まずターゲット層がどのプラットフォームを利用しているかを調査することが大切です。例えば、20代女性向けの美容商品を展開する場合、若年層の利用率が高いInstagramやTikTokが有効でしょう。一方、30代以上のビジネスパーソンがターゲットの場合は、Facebookの方が効果的かもしれません。
また、同時に複数のSNS活用に挑戦することは避けましょう。最初はひとつのプラットフォームに絞り、投稿ノウハウや成功パターンを確立してから他のSNSに着手することをおすすめします。
入念なアカウント設計を行う
SNSでのPR活動を成功させるには、入念なアカウント設計が不可欠です。
まずは「誰に、何を、どのように伝えるか」という基本的な方針を固めることから始めましょう。投稿内容に関しては、単に商品を紹介するだけでなく、業界のお役立ち情報や使用例、お客さまの声など、さまざまなバリエーションを用意しておくことがおすすめです。
また、具体的な数値目標も必要です。「1年でフォロワー1万人」「1投稿あたりのいいね数300」など、達成度を測れる指標を設定しておきましょう。投稿頻度や投稿時間、炎上時の対応フローなど、運用に関するルールも事前に決めておくと、一貫性のあるPR活動が可能になります。
拡散・UGCの発生を狙う
SNSの強みを最大限に活かすには、ユーザーによる自発的な情報拡散(UGC:User Generated Content)を促すことが有効です。例えば、商品の使用シーンを投稿してもらう「フォトコンテスト」や、商品にまつわる体験を共有する「エピソードキャンペーン」など、ユーザーが参加したくなる企画を実施しましょう。
ポイントは「参加のしやすさ」です。「商品を購入して写真を撮影」「長文レビューを書く」など、手間や時間のかかる応募条件は避けましょう。「この投稿をシェアして#〇〇を付けるだけ」といったように、気軽に参加できる企画を立てることがおすすめです。
ユーザーからフィードバックを得る
SNS施策の最大の特徴は、顧客と直接交流できることです。
コメントやDMで送られてくる商品への意見や要望に耳を傾け、今後の商品活動やPR活動に活かしていきましょう。「お客さまの声から生まれた新機能です」「皆さまのご要望にお応えして、〇〇を改善しました」など、フィードバックを反映した取り組みを発信することで、ブランドへの信頼感が高まります。
特に、Instagramのストーリーズで利用できる「アンケート機能」や「ポーリング機能」を活用すると、意見を募りやすくなります。「どっちの商品が好き?」「ほしい機能を教えて!」など、気軽に答えられる質問を投げかけることで、ユーザーの意見を集めやすくなるでしょう。
PR表記のルールを守る
SNSで企業やブランドの商品・サービスを宣伝するときは、PR表記のルールを守る必要があります。PR表記せずに広告掲載した場合、「ステルスマーケティング」として景品表示法違反になってしまうので注意が必要です。
PR表記が必要なケースと不要なケースは、表のとおりです。
項目 | 要件 | 具体例 |
PR表記が必要なケース | 対価が発生する場合 |
|
企業の関与がある場合 |
| |
PR表記が不要なケース | 自主的な投稿の場合 |
|
インフルエンサーに依頼する場合や有料広告を出稿する場合は、投稿のわかりやす位置に「#PR」「#広告」のハッシュタグを付けたり、「〇〇社の提供です」という文言を入れたりしておきましょう。
Instagramには、PR投稿であることを示す「タイアップ投稿ラベル」という機能が実装されています。また、YouTubeでも動画公開時に「有料プロモーションの設定」をすることが可能です。
すべてのSNSでPR表記をする必要がありますが、詳細なルールはプラットフォームによって若干異なります。PR活動をするときは、ルールを事前に確認しておきましょう。
関連法令を遵守する
SNSでPR活動するときは、いろいろな法令やガイドラインの遵守が求められます。特に気をつけたいのが、以下の3つの法令です。
景品表示法:消費者を誤認させる不当な表示を規制する法律
薬機法:医薬品的な効能効果を持つと誤認させる表現を規制する法律
特定商取引法:通信販売等における取引の公正性を確保するための法律
例えば、化粧品や健康食品のPRでは、「シミが消える」「痩せる」といった薬機法で禁止されている医薬品的な効能効果の表現は使用できません。また「業界No.1」「最高品質」などの根拠のない表現は、景品表示法違反となる可能性があります。
法令違反は企業の信頼を大きく損なうだけでなく、業務停止命令などの行政処分のリスクも高めます。あらかじめ法務部門や弁護士に相談して、内容に問題がないことを確認してからPR活動を行いましょう。
SNSを活用して企業PRを成功させよう
SNSによってメインのユーザー層や相性のよい目的、好まれるクリエイティブや商材は大きく異なります。SNSでのPR活動を成功させるために、自社に適したプラットフォームを選びましょう。
また、単に情報を発信するだけではなく、拡散を狙ったり法令を遵守した表記方法が必要になったりと、戦略的にPR活動をすることも大切です。やみくもに施策を実施するのではなく、しっかりとSNSやマーケティングの知識を身につけてから取り組むことをおすすめします。
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