Instagramのショップ機能とは?設定方法や審査が通らないときの対処法を解説
商品画像から直接ECショップに遷移させることができるInstagramの「ショップ機能」は、インフルエンサーや企業の売上アップに高い効果を発揮します。Instagramのショップ機能は広告色が強くないので、自然な形で商材の魅力を伝えられる点が大きなメリットです。
この記事では、売上向上を目指すインフルエンサーや企業におすすめのInstagramショップ機能について、詳しい使い方や活用のコツを紹介します。簡単に導入できてメリットが多い機能なので、Instagramをビジネスに活用している方はぜひ挑戦してみてください。
Instagramのショップ機能(Instagramショッピング)とは?
Instagramのショップ機能(Instagramショッピング)とは、投稿した写真や動画と商品ページをリンクさせ、直接ネットショップに誘導する機能です。
ショップ機能を使うと、具体的に次のようなことが可能になります。
投稿写真に商品タグを付ける
ストーリーズに商品リンクを設置する
ショップタブで商品コレクションを表示する
商品詳細ページを表示する
ライブ配信中に商品を紹介する
ショップ機能を使って投稿やストーリーズに商品タグを付けておくと、Instagramから購入ページへシームレスに誘導できるようになります。Instagram上での商品探しから購入までの導線を短縮できるので、売上を向上させる効果が期待できます。
また、通常の投稿に溶け込むような形で商品を紹介できるので、広告を苦手に感じるユーザーにも訴求しやすい点が特徴です。
Instagramのショップ機能の設定方法
Instagramのショップ機能を設定する方法は、以下のとおりです。
- 利用要件を確認する
- InstagramビジネスアカウントとFacebookアカウントを用意する
- コマースマネージャの設定を行う
- InstagramとFacebookを連携する
- 審査を申請する
- ショッピングタグを設定する
ここでは、各プロセスの詳細な手順をみていきましょう。
1. 利用要件を確認する
まずは、ショップ機能の利用要件を確認しましょう。以下の要件を満たさない場合、ショップ機能を使うことはできません。
FacebookおよびInstagramのポリシーに準拠している
商品の販売を予定しているネットショップのサイトと紐づいている
ショップ機能を利用できる国に拠点がある
信頼性を示せる
正確な商品情報を提供している
Instagramには、決済機能が備わっていません。そのため、ショップ機能を使う際は、ネットショップを保有していることが前提となります。
ショップ機能を利用してネットショップに誘導する際は、販売に使用するサイトのドメインをFacebookに提供して、ドメイン認証を行わなければいけません。また、十分なフォロワー数やエンゲージメントを獲得しているなど、一定の信頼を獲得しているアカウントであることも求められます。
各要件について詳しく知りたい方は、ヘルプセンターでご確認ください。
2. InstagramビジネスアカウントとFacebookアカウントを用意する
ショップ機能を利用するには、InstagramのビジネスアカウントとFacebookアカウントが必要です。用意できていない場合は、このタイミングで作成しておきましょう。
なお、Instagramをビジネスアカウントに切り替える手順は以下のとおりです。
- プロフィールの右上に表示されている三本線をタップする
- プロフェッショナル向けというメニューにある「アカウントの種類とツール」を選択する
- 「プロアカウントに切り替える」をタップする
- 当てはまるカテゴリを選択する
- 「ビジネス」を選択する
- メールアドレス、電話番号、住所を入力して「次へ」をタップする
登録時は、ビジネス用の連絡先や住所を入力しましょう。
3. コマースマネージャの設定を行う
次に、InstagramやFacebookでの販売活動を管理するコマースマネージャに商品情報を登録します。
コマースマネージャにアクセスすると、Facebookでのログインを求められます。用意しておいたFacebookアカウントでログインして、「コマースマネージャに移動」をクリックしましょう。
コマースマネージャでは、ネットショップのURLや商品情報を登録していきます。ECプラットフォームと連携する機能やCSVなどのファイルをインポートする機能もあるので、活用することで大幅に作業を効率化できるでしょう。
商品情報まで設定できたら、「カタログ>データソース」から商品が登録できているかをチェックしておきます。
4. InstagramとFacebookを連携する
以下の手順で、InstagramとFacebookのアカウントを連携させましょう。
- Facebookにアクセスする
- メニューから「設定」をタップする
- 「Metaアカウントセンター>プロフィール」からInstagramアカウントを追加する
それぞれのアカウントを連携させることで、コマースマネージャに登録した商品カタログをInstagramで利用できるようになります。
5. 審査を申請する
最後に、Instagramでショップ機能の設定を行います。
- プロフィールの右上に表示されている三本線をタップする
- 「設定>ビジネス」を選択する
- 「Instagramショッピングを設定する>スタート(開始する)」をタップする
- 連携させたいFacebookページと商品カタログを選択する
- ECサイトやネットショップのURLを入力する
- 「審査を申請」をタップする
上記の設定が完了すると、Instagram側でショップ機能の審査が実施されます。審査には1週間程度かかるので、結果が出るまで待ちましょう。
6. ショッピングタグを設定する
審査に通ったあとは、ショップ機能を利用することが可能です。利用手順は、次のとおりです。
- 新しい投稿を作成する
- 写真や動画を選択して「次へ」をタップする
- 「商品をタグ付け」をタップする
- タグを表示させたい箇所をタップして、カタログから商品を選択する
- キャプションを追加し、「シェア」をタップして投稿する
これでショップ機能の設定は完了です。投稿に表示されているタグをタップすれば、商品ページに直接アクセスできるようになります。
Instagramのショップ機能の審査が通らないときの対処法
Instagramのショップ機能を利用するには、審査を受ける必要があります。正しい手順で設定しても審査に落ちてしまうときは、以下の対処法を試してみてください。
規約を確認する
登録商品や設定を見直す
ECサイトのドメイン認証を確認する
各対処法の詳細をみていきましょう。
規約を確認する
Instagramショップ機能の利用要件やコマースポリシー、利用規約、コミュニティガイドラインなどを確認して、その内容を遵守できているかを見直してみましょう。確認が必要な規約は、「コマースの利用資格」にまとめられています。
例えば、アルコールや経口サプリメントなど、一部の商品はショップ機能で取り扱うことができません。また、イベントチケットやクーポンなど販売が制限されている商品もあります。
出品予定の商品が取り扱い可能かどうか、コマースの利用規約とポリシーでよく確認しておきましょう。
登録商品や設定を見直す
ショップや商品、Instagram・Facebookアカウントの設定内容に間違いがないか見直してみましょう。
連携先に指定するFacebookアカウントが間違っていたり、登録している情報が誤っていたりすると審査が通らない可能性があります。商品画像や紹介文にポリシー違反がある場合も同様です。
細かい作業になってしまいますが、正しい情報が登録できているかじっくりと確認してみてください。
ECサイトのドメイン認証を確認する
ドメイン認証は、ショップの安全性やショップの所有者であることを証明するために必要な手続きです。ドメイン認証はビジネスマネージャから行えるので、未対応の場合は設定を済ませておきましょう。
- Facebookビジネスマネージャにアクセスする
- 「ビジネス設定」を開く
- メニューから「ブランドセーフティ>ドメイン」を選択する
- 「追加」を選択して、認証したいドメイン名を入力する
- 「DNS認証」「HTMLファイルアップロード」「Meta-tag Verification」から認証方法を選ぶ
- 各認証のステップが完了したら「認証」をクリックする
- 認証が完了するまで待つ
ドメイン認証には、「DNS認証」「HTMLファイルアップロード」「Meta-tag Verification」の3つの方法があります。それぞれの概要は、表のとおりです。
項目 | 概要 |
DNS認証 | DNSと呼ばれるシステムの設定を変更する方法 |
HTMLファイルアップロード | Instagramが指定したファイルをWebサイトにアップロードする方法 |
Meta-tag Verification | WebサイトのHTMLに、Instagramが指定した文字列を追加する方法 |
初心者におすすめなのは、Meta-tag Verificationです。サイトの編集権限があれば誰でも実施可能で、専門的な知識がなくても短時間で認証を完了させられます。
ドメイン認証には、最大72時間かかる場合があります。Facebookのアカウント審査時にドメイン認証を促す画面が表示されるので、その際にドメイン認証も行っておくことが理想的です。
Instagramのショップ機能を利用するメリット
Instagramのショップ機能には、次のようなメリットがあります。
購入を促せる
認知度を向上させられる
広告感が強くない
利用料がかからない
個人でも利用できる
ここでは、各メリットの詳細を説明します。
購入を促せる
ショップ機能を活用すれば、投稿から商品ページにユーザーを直接誘導できます。購入までの導線が大幅に短縮されるので、衝動買いを含む購買行動を促進しやすくなります。
また、ユーザーに気になった商品情報をすぐ確認してもらえる点もうれしいポイントです。比較検討を促したり、購買意欲を高めたりする効果も期待できます。
認知度を向上させられる
ネットショップを開設しても、ターゲットに認知されなければ売上につなげることはできません。多くのユーザーが閲覧するInstagramでネットショップの存在をアピールすれば、大幅な認知拡大を目指せる可能性があります。
また、InstagramをはじめとするSNSプラットフォームは、各ユーザーの興味関心に合ったコンテンツを表示させる仕組みになっています。ハッシュタグ検索や発見タブなどに投稿が表示されれば、自社のターゲットに効率よくネットショップの存在を認知させられるでしょう。
広告感が強くない
Instagramのショップ機能は販売促進や認知拡大に効果的ですが、一般の投稿に溶け込む形で表示されるので、広告感が強くありません。一般の投稿との違いは、投稿画面をタップすると商品タグが表示される点だけです。
また、商品タグ付きの投稿から「ショップを見る」をタップすれば、カタログを見る感覚で商品タグがついた商品を一覧で閲覧できます。そのため、最近増えてきている「広告を苦手に感じるユーザー」にも効果的に訴求することができるのです。
利用料がかからない
ショップ機能は、要件を満たしているアカウントであれば無料で利用できます。広告と違って費用がかからないので、コストをかけずに集客経路を増やせます。
宣伝から集客、ネットショップへの誘導まで無料で完了させられるため、個人で活動しているインフルエンサーや予算が限られている企業でも活用しやすいでしょう。
個人でも利用できる
ショップ機能は、法人はもちろんのこと、個人のクリエイターやインフルエンサーでも利用可能です。オリジナル商品やコラボレーション商品を販売したい場合も、ショップ機能が役立ってくれるでしょう。
ただし、ショップ機能は個人アカウントのままでは利用できません。ビジネスアカウントもしくはクリエイターアカウントであることが要件なので、忘れずに設定を変更しておきましょう。
Instagramのショップ機能を利用するデメリット
メリットが豊富なInstagramのショップ機能ですが、以下のようなデメリットもあります。
導入に手間がかかる
逆効果になる場合もある
各項目についてわかりやすく説明します。
導入に手間がかかる
ショップ機能は、導入時に少し手間がかかります。アカウントの作成や連携、商品登録などを行う必要があるので、SNSの操作に慣れていない方は戸惑ってしまうこともあるでしょう。
また、ショップ機能を使ったからといって、認知拡大や売上向上に直結するわけではありません。成果につなげるには戦略的な運用が必要になるので、SNSマーケティングに関する知識を身につける時間や手間もかかります。
逆効果になる場合もある
これまでのInstagramアカウントの運用方針やブランディングによっては、過度にショップ機能を使うことで、ファンから反感を買ってしまう可能性があります。フォロワーが減るだけではなく、インフルエンサーや企業そのものの印象がダウンしてしまうおそれがあることは理解しておきましょう。
通常投稿にも力を入れて、必要以上に宣伝しないように気をつけることが大切です。
Instagramのショップ機能で成果を出すコツ
Instagramのショップ機能は、単に使うだけでは成果につなげることはできません。しっかりと認知拡大や売上向上効果を得るには、次のようなコツを意識する必要があります。
フォロワーを増やす
人気商品の投稿を増やす
適切なハッシュタグを付ける
ストーリーズとハイライトを活用する
インスタライブを活用する
カスタマーサポートの体制を整えておく
「宣伝のインサイト」で成果を分析する
それぞれの詳細をみていきましょう。
フォロワーを増やす
フォロワーを増やすことは、投稿の露出を高めるうえで特に重要です。定期的に魅力的で役に立つコンテンツを投稿したり関連性の高いハッシュタグを活用したりして、あなたのアカウントのファンになってくれる方を増やしましょう。
また、他のアカウントとの積極的な交流やインフルエンサーとのコラボ施策も効果的です。一気にフォロワーを獲得したい場合は、Instagram広告を活用して効率的にターゲット層へ訴求するのもひとつの手です。
人気商品の投稿を増やす
人気商品の投稿を増やすことで、よりユーザーの興味を引きやすくなります。ただし、同じ商品ばかりを紹介すると逆効果になってしまうので、いろいろな商品をバランスよく紹介することが大切です。
また、商品の使用シーンや購入者からの口コミ・レビューを交えた投稿も効果的です。季節やトレンドを取り入れた商品紹介も、ユーザーの興味を引く効果があります。
適切なハッシュタグを付ける
投稿や商品と関連性の高いハッシュタグを使用すると、商品を発見してもらいやすくなります。
この際、人気のタグだけでなく、ニッチなタグも組み合わせて使用してみることがおすすめです。よりニーズの高いユーザーに発見される可能性が高まるので、ターゲット層にリーチしやすくなります。
また、オリジナルのハッシュタグを作成して繰り返し使用すると、ブランドの認知度向上に役立ちます。
ただし、あまりにもハッシュタグを多用すると、投稿の専門性が低いと判断されてリーチされにくくなる可能性があるので注意しましょう。できれば3~5個、多くても10個以内にとどめることを意識してみてください。
ストーリーズとハイライトを活用する
ストーリーズは、気軽に閲覧できてユーザーの反応を得やすいので、新商品の告知や限定セールの案内などに最適です。
また、投票機能やクイズ機能とあわせて活用することで、ユーザーとコミュニケーションを取れるというメリットもあります。密なコミュニケーションで親密度を高められれば、より商品に興味を持ってもらいやすくなるかもしれません。
ハイライトには、人気商品や新商品、カテゴリ別の商品紹介をまとめて表示しましょう。プロフィールの目立つ位置に表示されるので、商品を見つけてもらいやすくなります。
インスタライブを活用する
商品の購入を促進したい場合は、インスタライブを配信することもおすすめです。商品を紹介しながら質問に答えたり使用例を見てもらったりすれば、購買意欲を高められます。
また、限定特典や特別価格をライブ視聴者に提供することで、視聴者数の増加や購入率アップが期待できます。定期的にインスタライブを行えば、ファンとの信頼関係や親密度を向上する効果も得られるでしょう。
カスタマーサポートの体制を整えておく
Instagramショップ機能の活用に成功することで、ネットショップへの流入や購入数が増える可能性は十分に考えられます。また、商品に興味を持ったユーザーから質問やお問い合わせがくることもあるでしょう。
そのような事態に備えて、迅速にお問い合わせや注文に対応できる体制を整えておくことも大切です。DMやコメントへの素早い返信や丁寧なカスタマーサポートは顧客満足度を高め、リピート購入や口コミ投稿の増加につながります。
Instagramのインサイト機能で成果を分析する
Instagramの「インサイト」を活用して、人気がある投稿や商品を把握しておきましょう。リーチ数やエンゲージメント率、クリック数などの指標をこまめにチェックして、反応のよい投稿パターンを見つけ出します。
また、フォロワーの属性データ分析をすることもおすすめです。ターゲット層に合ったコンテンツ制作や商品展開ができると、より成果を得られやすくなります。
Instagramのショップ機能で成果の最大化を目指そう
無料で利用できるInstagramのショップ機能は、売上向上や認知拡大に高い効果を発揮します。個人でも利用できるので、ECショップを運営している企業はもちろん、インフルエンサーのビジネスチャンス拡大にも活用してみてください。
ただし、単に投稿にショッピングタグを設置するだけでは、成果につなげることはできません。この記事で紹介したコツを意識しながら、成果の最大化を目指していきましょう。
Instagramをビジネスに活用したい場合は、投稿やネットショップだけではなく、自身のサイトや他のSNSも見てもらえるとより効果的です。
ただし、Instagramのキャプションにはリンクを入れられませんし、プロフィールに記載できるURLの数にも制限があります。そのため、Link in bio(リンクまとめ)サービス「VLINK」を活用することがおすすめです。
VLINKの特徴は、次のとおりです。
複数のSNSやWebサイトのリンクを1つのページにまとめられる
投稿と紹介した商品情報を紐づけできる
あなたの「好き」を簡単にシェアできる
VLINKを取り入れることで、効率的に商品紹介できたり独自の世界観を伝えやすくなったりするので、ブランディング力を高める効果も期待できます。
より商品の魅力をPRするために、ショップ機能と一緒にVLINKも活用してみてください。
インフルエンサーマーケティングに役立つ情報を掲載するメディア『VLINK MAG』の編集部です。