Instagram運用の始め方|企業にとっての重要性や成功のコツも解説
日本国内で6,600万人以上もの月間アクティブユーザーを抱えるInstagramは、いまや企業にとって非常に重要なマーケティングチャネルとなっています。
そこで本記事では、Instagram運用の具体的な始め方から、企業にとっての重要性、そして成功のコツまでを詳しく解説します。Instagramを活用したマーケティングに興味がある企業担当者の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
企業がInstagram運用をビジネスに活かすべき理由
はじめに、企業がInstagram運用をビジネスに活かすべき主な理由について以下4点から解説します。
新規顧客との接点を作れる
企業がInstagram運用をビジネスに活かすべき理由として、新規顧客との接点を作れる点が挙げられます。
Instagramは、ユーザー数が世界で20億人を超える巨大なSNSプラットフォームです。日本国内では若年層から中年層まで幅広い年齢層が日常的に利用していることから、新規顧客になり得るユーザーの分母が多いことはかなり大きなメリットといえるでしょう。
また特筆すべき点として「タグる」と呼ばれる検索行動が定着していることも挙げられます。ユーザーは商品やサービスを探す際、GoogleだけでなくInstagramのハッシュタグ検索を活用していることから、適切なハッシュタグ戦略を実施することで、購買意欲の高いユーザーと自然な形で出会うことができます。
関連記事:Instagramのハッシュタグとは?効果的なつけ方や人気のコピペも
ブランディング効果が高い
ブランディング効果が高いことも、企業がInstagramを運用すべき理由の一つです。Instagramは視覚的なコンテンツを中心としたプラットフォームであり、写真や動画を通じて企業の世界観や価値観を表現することができます。
例えば商品写真だけでなく、スタッフの働く様子や製造過程、お客様との交流シーンなど、日常的な投稿を行うことでブランドへの親近感を高めることができるでしょう。こうした投稿を継続すれば自然とファンが増え、ブランドの認知度向上やロイヤルティの構築につながっていきます。
顧客と直接コミュニケーションをとれる
Instagramでは、投稿へのいいねやコメント、DM(ダイレクトメッセージ)など、さまざまな形でフォロワーと直接コミュニケーションをとれます。特にコメントやDMではリアルタイムな対話や個別対応が可能であり、顧客との信頼関係強化に効果的です。
またストーリーズやインスタライブでフォロワーからの質問や要望を募集することで、顧客の生の声を聞くこともできます。これらをヒントに製品開発やサービス改善に活かすことで、ビジネスをさらに発展させられるでしょう。
Instagramユーザーは購買意欲が高い傾向にある
特にECを展開する企業にとって、Instagram運用は欠かせない施策です。
株式会社マージェリックの調査では、Instagramで見つけた商品を購入したことがあるユーザーは45.8%と発表されています。つまりInstagramユーザーの特徴として、商品やサービスへの関心が高く、実際の購買行動につながりやすい傾向があるのです。
またInstagramにはショッピング機能も搭載されており、ユーザーを投稿から直接商品購入ページへ遷移させることもできます。このような機能を活用することで、投稿から商品購入ページへのスムーズな導線を作ることができ、より効果的な販売促進が可能となります。
Instagram運用の始め方
ここからは、Instagram運用の始め方を4ステップに分けてみていきましょう。
1. アカウントの設定
Instagram運用の最初のステップはアカウントの設定です。以下では、具体的な設定手順と注意点について解説します。
ビジネスアカウントを作成する
Instagramには個人アカウントとプロアカウントの2つのアカウントタイプが用意されています。企業がInstagramを運用する際は、プロアカウントから「ビジネスアカウント」を選択して作成しましょう。
切り替えの手順は以下のとおりです。
- プロフィール画面の右上にあるハンバーガーメニュー(≡)をタップする
- 「アカウントの種類とツール」をタップする
- 「プロアカウントに切り替える」を選択する
- 当てはまるビジネスカテゴリを選択して「OK」をタップする
- アカウントタイプで「ビジネス」を選択する
- 連絡先情報(メールアドレス、電話番号、住所など)を入力する(任意)
- Facebookページとの連携設定を行う(「Facebookにログイン」または「スキップ」を選択)
なおビジネスアカウントには、以下のような機能が備わっています。
インサイト機能
問い合わせボタン
広告機能
プロフィールを設定する
プロフィールは、アカウントの顔となる場所です。特にプロフィール画像とプロフィール文はユーザーが最初に目にする部分であり、フォローするかどうかの判断材料となります。
以下の項目を丁寧に設定しましょう。
プロフィール画像:企業ロゴや商品画像を使用する
アカウント名:企業名や事業名を明確に記載する
ビジネスカテゴリ:業種や事業内容に最適なものを選択する
連絡先情報:メールアドレスや電話番号、所在地を登録する
WebサイトURL:自社サイトやECサイトへのリンクを設定する
プロフィール文:企業の特徴を簡潔に説明する(150文字以内)
プロフィール文では「誰に」「何を」提供するのかを明確にすることが重要です。またストーリーズのハイライト機能を活用して、商品カテゴリーや企業情報を整理して表示することをおすすめします。
関連記事:【例文あり】Instagramのプロフィールの書き方|おしゃれに見せるコツも
2. コンテンツ戦略の立案
効果的なInstagram運用を実現するためには、コンテンツ戦略の立案が不可欠です。ターゲット層の設定、競合分析、そして具体的な投稿計画の立案という3つのステップを順番に進めていきましょう。
ターゲット層を決める
コンテンツ戦略の立案では、まずターゲット層を決定します。ターゲット層を具体的に定めることで、投稿内容や投稿時間、使用するハッシュタグなど、すべての施策をより効果的に展開することができるためです。
以下の要素を考慮しながら、具体的なペルソナを設定していきましょう。
年齢層・性別
居住地域
興味・関心事
ライフスタイル
課題や悩み
例えば、「20代後半~30代前半の女性で、美容や健康に関心が高く、都市部に住む会社員」といった具体的な設定が効果的です。
競合他社を分析する
競合他社のInstagramアカウントを分析することで、効果的な運用のヒントを得ることができます。分析のポイントは以下の5つです。
分析項目 | 詳細 |
投稿内容とその反応 | 「いいね」数やコメント数が多い投稿にはどのような特徴があるのか、写真や動画の構図、使用しているフィルター、キャプションの書き方などを細かくチェックしましょう |
投稿頻度と時間帯 | 1日あたりの投稿回数や、エンゲージメント率が高い時間帯を把握することで、最適な投稿スケジュールを組み立てることができます |
ハッシュタグの使用方法 | 競合他社がどのようなハッシュタグを使用し、どの程度の数を付けているかを確認します。特に反応の良い投稿で使用されているハッシュタグは要チェックです |
フォロワーとのコミュニケーション方法 | コメントへの返信スタイルや、ストーリーズでの双方向コミュニケーションのとり方など、エンゲージメントを高めるための工夫を学びましょう |
フィード全体の見た目やブランディングの一貫性 | 投稿の色調や雰囲気、テーマ性など、アカウント全体としての統一感がどのように表現されているかを分析します |
これらの分析結果を自社のInstagram運用に活かすことで、効果的なコンテンツ戦略を立案できます。ただし単なる模倣ではなく、自社の独自性を加えながら、より魅力的なコンテンツを作り出すことが重要です。
投稿内容を計画する
投稿内容の計画にあたり、まずは投稿の種類を決定しましょう。一般的な配分として以下のような割合がおすすめです。
商品・サービス紹介:30%
お役立ち情報・使用方法:40%
企業の日常・スタッフ紹介:30%
このバランスにより、過度な宣伝を避けながら、フォロワーに価値ある情報を提供することができます。
次に、投稿頻度と時間帯も設定しましょう。初期段階では週3-4回の投稿が適切です。投稿時間については、平日の通勤・通学時(7-9時)と昼休み(12-13時)、帰宅後(21-23時)の時間が推奨されますが、ターゲット層によって効果的な時間帯は異なります。
定期的な投稿を行いながら、ユーザーの反応が多い時間帯を見つけていきましょう。
3. 投稿とエンゲージメント
Instagram運用で成功を収めるためには、質の高いコンテンツ制作とフォロワーとの積極的な交流が鍵となります。ここでは、効果的な投稿方法とエンゲージメント向上のための具体的な施策についてみていきましょう。
質の高い写真・動画を投稿する
Instagramは視覚的なプラットフォームであり、投稿する写真や動画の質が成功を左右します。特に1枚目の写真や動画の冒頭60秒はユーザーの注目を集める重要な要素となることから、クオリティにこだわることが大切です。
写真撮影においては、自然光を活用し、明るく鮮明な写真を撮影します。商品を引き立てる背景選びや、色調やコントラストの調整による統一感の演出にも気を配りましょう。
動画制作ではテロップや音楽を活用し、ユーザーが思わず最後までみたくなるような動画を作ることがポイントです。
適切なハッシュタグを使用する
Instagram運用では、ハッシュタグを活用することも欠かせません。
効果的なハッシュタグ戦略の核となるのが、投稿数の異なるハッシュタグをバランスよく組み合わせることです。具体的には、投稿数の多い「ビッグワード」(100万件以上)、中程度の「ミドルワード」(10万-100万件)、そして比較的投稿数の少ない「スモールワード」(1万件以下)を適切な比率で組み合わせることが重要となります。
ハッシュタグの数については、1投稿あたり10個から20個程度が推奨されます。最大30個まで付けることは可能ですが、必要以上に多くのハッシュタグを使用することは、かえってスパム的な印象を与える可能性があるため避けましょう。
フォロワーとコミュニケーションをとる
Instagramでは、フォロワーとの積極的なコミュニケーションがアカウントの成長に重要な役割を果たします。特に、投稿へのコメントやダイレクトメッセージ(DM)への対応は、フォロワーとの信頼関係を構築するうえで欠かせない要素です。
コメントへの返信は、できるだけ丁寧かつ迅速に行うことをおすすめします。コメントのやり取りが他のユーザーの目にも触れ、新たなフォロワー獲得のきっかけとなるためです。特に商品やサービスに関する質問には詳しく回答し、フォロワーの疑問や不安を解消することが求められます。
またストーリーズやインスタライブなども活用し、フォロワーと継続的にコミュニケーションをとっていきましょう。
4. 分析と改善
Instagram運用を効果的に進めるためには、データに基づいた分析と継続的な改善が不可欠です。インサイト機能を活用して現状を把握し、その結果をもとに戦略を最適化していきましょう。
インサイトを活用する
Instagramのインサイト機能は、アカウントのパフォーマンスを多角的に分析できるツールです。インサイト機能で分析すべき項目を、以下にまとめました。
分析項目 | 確認内容 | 重要度 |
フォロワー属性 | 年齢層、性別、地域、アクティブな時間帯 | ★★★ |
リーチ数 | 投稿を見たユニークアカウント数 | ★★★ |
エンゲージメント率 | いいね、コメント、保存などの反応率 | ★★★ |
インプレッション数 | 投稿が表示された合計回数 | ★★ |
プロフィールアクセス | プロフィールページの閲覧数 | ★★ |
保存数 | 投稿が保存された回数 | ★★ |
シェア数 | 投稿がシェアされた回数 | ★★ |
Webサイトクリック | プロフィールのリンクのクリック数 | ★★ |
ストーリーズ完了率 | ストーリーズの最後まで見た割合 | ★★ |
リール再生数 | リールの再生回数 | ★★ |
なかでも重要となるのが、フォロワーの属性データの分析です。年齢層や性別、地域といった基本的な情報に加え、フォロワーが最もアクティブな時間帯も確認することができます。これらの情報はコンテンツ戦略を立案するうえで重要な指標となるため、必ず分析を行いましょう。
投稿内容や戦略を改善する
インサイトで得られたデータをもとに、投稿内容や戦略の改善を進めていきます。改善のプロセスは「分析→仮説立案→実行→効果測定」というサイクルで進めることが効果的です。
例えばエンゲージメント率の低い投稿があった場合、まずその要因を分析します。投稿時間が不適切だったのか、使用したハッシュタグの選択が最適ではなかったのか、あるいは写真やキャプションの内容に改善の余地があったのかなど、さまざまな観点から検証を行ってください。
次に、分析結果をもとに改善のための仮説を立てます。例えば「投稿時間を夜9時台に変更することで、エンゲージメント率が20%向上するのではないか」「商品の使用シーンを中心とした写真に変更することで、保存数が増加するのではないか」といった具合です。
そして仮説に基づいて実際に投稿を行い、その結果を測定します。この際、一度に複数の要素を変更するのではなく、一つずつ変更して効果を測定することが大切です。これにより、どの改善策が効果的だったのかを正確に把握することができます。
企業がInstagram運用を成功させるコツ
基本的な運用方法を押さえたら、さらなる成長のために追加の施策を検討しましょう。ここでは、Instagram運用を成功に導くための3つのコツについて解説します。
Instagram広告を効果的に活用する
Instagram広告は、ターゲット層へ効率的にリーチできる手段です。広告の種類は、フィード広告、ストーリーズ広告、リール広告など多様な形式が用意されており、目的に応じて最適な形式を選択することができます。
特に効果的なのが、ストーリーズ広告です。画面全体を使用した没入感のある広告フォーマットにより、ユーザーの注目を集めやすいという特徴があります。またスワイプアップ機能を活用することで、直接的な商品購入やサイトへの誘導も可能です。
広告予算の設定は、まず少額から始めて効果を測定し、徐々に予算を増やしていくことをおすすめします。A/Bテストを実施し、より効果的な広告クリエイティブや訴求文を見つけることも大切です。
インフルエンサーマーケティングを検討する
インフルエンサーマーケティングは、商品やサービスの認知度を高め、信頼性を構築する手段として効果的です。ターゲット層と親和性の高いマイクロインフルエンサー(フォロワー数1万~10万人程度)との協業は、高いエンゲージメント率が期待できます。
インフルエンサーを選定する際は、フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率や投稿内容の質、ブランドとの相性なども考慮しましょう。また長期的な関係性を構築することで、より自然な形での商品紹介が可能となります。
他のSNSやリアル店舗でInstagramアカウントを告知する
Instagramアカウントの認知度を高めるために、他のマーケティングチャネルとの連携も検討しましょう。
特に効果的なのが、リアル店舗でのInstagram活用です。商品パッケージやレシートにInstagramアカウントを記載したり、店舗内に「インスタ映え」スポットを設置したりすることで、自然な形でフォロワーを増やすことができます。また店舗スタッフがInstagramの存在を積極的に告知することで、より確実なフォロワー獲得が期待できるでしょう。
Instagram運用でビジネスを加速させよう
Instagramは、企業にとって非常に重要なマーケティングチャネルです。運用においては、綿密な戦略立案や一貫性のあるコンテンツ配信が求められます。今回紹介したステップに沿って、運用を始めてみましょう。
なお効果的なInstagram運用には、プロフィールページの最適化も重要な要素の一つです。その際に役立つのが、リンクまとめサービス「VLINK」です。
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インフルエンサーマーケティングに役立つ情報を掲載するメディア『VLINK MAG』の編集部です。